バブル万歳!
バブルなんて話は今は昔の物語だが、わが競馬業界にもこんな話があったとさ。
バブルがはじける前の話である。大きなレースに勝てば、厩舎はもとより、ほとんど無関係と思われるような芸能人や人や新聞・雑誌記者まで招いての祝勝会は当たり前。当然、飲み放題の食べ放題。中には記念の特製ジャンバーや高価な記念品まで配ってしまう剛毅な馬主もいたとか。
また、今も昔も騎手たちが勝てば、馬主をはじめタニマチのような人々からご祝儀が出る。それこそ相撲の世界と同じで、領収証のいらないオイシイお金である。当時のご祝儀がこれまたケタ外れだった。
ある東京の馬主が持ち馬に乗って勝った騎手へのご祝儀として「おれのクレジットカードを貸してやるから、服でも何でも好きなだけ使ってこい」といって、本当にクレジットカードを渡したというのだ。ところが騎手も騎手で「どれくらいでやめていいかわからないから」と、結局使わなかったという。騎手たちも懐具合が暖かく、使おうと思えば際限なく使えたということである。もちろんその他厩舎関係者などもその恩恵に浴して、まさにわが世の春状態だった。
とまあ、ここまでが景気のよかった時のお話。それがバブル崩壊後はというと、馬主がカイバ代を払わないので調教師生活を続けようかどうしようか嘆く人まで出る始末。当然ご祝儀袋も少なくなる一方。こんな時代にクレジットカードを渡してたらと、あのとき使わなかった騎手も思っているとかいないとか。それでも勝てば賞金の5%が入るんだからいいではないか。もちろんしっかり確定申告もするんだぞ。
TOPページへ戻る