・事件の発端: スタート時のゲートの不具合が発生
・結果: 主催者による競走不成立の発表
・暴動の内容: 観客の暴徒化、放火、破壊行為、売上金の強盗事件が発生
・事件の収束: 警察が出動したものの収束せず、機動隊まで出動することに
・被害額: 7600万円の盗難、3600万円の施設損害が発生
・事件の影響: 競馬開催の一時自粛と廃止検討
1974年1月30日、園田競馬場で行われた第8競走で、アングロアラブの強豪馬であるタイムラインとスマノダイドウが対決しました。
しかし、スタート時にゲートが開かず、4頭だけ遅れるというアクシデントが発生しました。
この後、ゲートの調整を行い2度目のスタートが切られましたが、今度はタイムラインとスマノダイドウの2頭だけゲートが遅れて開きました。
カンパイ(一旦レースを中止して仕切り直すこと)を行わずに競走が続行され、スマノダイドウは3位、タイムラインは4位で入線しました。
この結果に対し、観客からスタートの遅れを指摘する声が相次ぎ、主催者は競走不成立を発表しました。
不成立の発表に対し、的中馬券を持つ観客を中心に不満が爆発しました。
本来的中したはずの馬券が無効になったことに対し、観客が不満を爆発させ、一部が暴徒化しました。
多くの観客が「金を返せ!」と叫びながら払い戻し所や馬券売り場に殺到しました。
彼らは競馬場の施設を占拠し、放火や騒動に乗じて売上金の強盗などが発生しました。
事態が収拾つかないほどに悪化し、最終的には機動隊が出動することになりました。
しかし警察の介入にもかかわらず、暴動はしばらく続くことになりました。
この暴動によって第9競走以降は中止され、盗まれた金額は7600万円、施設の損害は3600万円にまで上りました。
この暴動で多くの観客が器物破損、窃盗、放火の現行犯で逮捕されました。
事件を受けて、兵庫県競馬組合は競馬開催を3開催18日間自粛しました。
また、競馬開催そのものの廃止が検討される事態となりました。
この事件は競馬場の運営や治安管理の重要性を再認識させる契機となりました。
当時の競馬場が持つ問題点を浮き彫りにしましたが、現在では競馬場のイメージも改善され、こうした暴動はほとんど見られなくなっています。
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